
日本では農業従事者の減少と高齢化、農村地域の人口減少が進行しており、農業は収益性や革新性の面で若者から敬遠されがちな分野になっています。
こうした農業を取り巻く構造的・認識的課題は、実は日本とアフリカで共通する側面を持っていることをご存知でしょうか?いま、農業を技術革新や市場志向の視点から再定義し、新たな成長産業として位置づけ直すことは、双方にとって重要な課題となっています。
日本政府は、1993年以来、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)と共同でアフリカ開発会議(TICAD)を主導しています。2025年8月に横浜で開催されたTICAD9では、農業、バリューチェーンの高度化、民間主導型の成長が日・アフリカ協力の柱として再確認されるとともに、若者が変革の担い手であることが明確に位置づけられました。
アフリカにおいて、農業は依然として食料システムと地域経済を支える重要な基盤であるものの、生産性の停滞、バリューチェーンの脆弱性、気候変動の影響、限られた市場アクセスなどの課題に直面しています。さらに、若年層の失業や経済的周縁化はこうした課題を一層深刻化させており、若者の農業分野への参画は、経済的な必要性であると同時に、社会の安定と持続的な発展に向けた重要な投資と位置づけられています。
こうした背景を踏まえ、本イベントは、アフリカとの農業協力、日本の農業構造転換や地方創生、労働力の持続性と結びつける対話の場として企画されました。 若者、民間企業、政策関係者がそれぞれの視点から議論を行うことで、日本企業とアフリカの農業市場との接点を広げ、将来的なビジネス連携の可能性を探ります。また、アフリカにおける市場志向型農業の取り組みから得られる知見は、日本の農業の再構築にとっても有益な示唆を提供することが期待されています。
本イベントは、TICADフォローアップの一環として、農業を単に「援助の対象」として捉えるのではなく、若者のイノベーションと日本・アフリカの共創によって新たな価値を生み出す「成長産業・ビジネス機会」として再定位することを目的としています。農業、起業、技術、そして市場拡大を結びつけながら、若者、民間企業、開発パートナーが共に議論し、TICAD 9の理念を具体的な連携や今後のアクションへとつなげる道筋を探ります。
〈アフリコンバースについて〉
2018年にUNDPにより開始されたアフリカ開発会議(TICAD)関連の対話型セミナー。2020年からはUNDPとJICAが共催し、日本およびアフリカの幅広い聴衆に向けてアフリカ開発の課題やそれに対する日本および共催機関等の取り組みを発信することを目的に、四半期に一度のペースで開催。2025年には、横浜で開催されたTICAD9に合わせ、広島大学、大阪・関西EXPO、TICAD9、国連大学などを会場に、多様なテーマのもとセッションを実施しました。2026年も引き続き、本セミナーを通じてアフリカ開発に関する対話と発信を行う予定であり、国内外から多くの皆様の参加が期待されています。
2026年3月30日(月)17:30-19:00
80名