
私たちは、目に見えるモノやデジタルのデザインを通じ、本当は「何を」生み出しているのか?
これまで私たちは、効率を重んじ、生活の中からあらゆる「摩擦」を取り除くことを追求してきました。負担を減らし、システムを最適化することが、より軽やかで豊かな社会に繋がると信じてきたからです。
しかし、あまりにもスムーズに設計された仕組みは、時に私たちから「立ち止まって選ぶこと」を遠ざけ、気付かぬうちに受動的な消費のループへ誘っている側面はないでしょうか。経済的な最適解を求めるデザインが、私たちの時間や心の豊かさに影響を及ぼすというジレンマも生まれています。
こうした現代のデザインが向き合うべき問いを紐解き、これからの社会におけるデザインの本質を捉え直すべく、IDEAS FOR GOODが企画したのが、今回の対話の場です。共に深掘りするパートナーとして迎えるのは、デンマークを代表するブランディング・ファームの一つであるKontrapunkt(コントラプンクト)。政府機関から企業、NGOまで、グローバルに幅広いセクターと協働し、心を動かす機能美を備えたデザインを通じたブランドづくりを手がけています。
本イベントでは、そんなKontrapunktのCEO・Johan Lawaetz氏とともに、モノやデジタルをどのように設計することがより「誠実なデザイン」に繋がるのかを考えていきます。特に、イベント後半のクロストークでは次の3つの問いを探求します。
1. 私たちは「デザイン」することを通じ、実際のところ何をデザインしているのか?
デザインを通じ、私たちは具体的にどんな価値を提供しているのでしょうか?どうすれば、私たちの目指すもの、未来に対して真摯でいられるのでしょうか?
2. デザインはいかにして意図せぬ結果を避け、社会に前向きな変化を生むことができるか?
デジタル空間の更なる拡張やAIの台頭など、我々は今までに増して大きな変化の中にあります。私たちはデザインを通じてどんなポジティブなインパクトを起こすことができるのでしょうか?
3. コンヴィヴィアルな関係性に向けて
哲学者イヴァン・イリイチが唱えた「コンヴィヴィアリティ(自立共生/共愉)」。私たちが手段に支配されることなく、自律的に喜びを生み出す関係を築くために、デザインはどのような役
割を果たすことができるでしょうか?
これらの問いに、まだ唯一の正解は存在しないでしょう。それでも言葉を交わすことで、目の前の課題解決と未来のインパクト創出の間に横たわるジレンマを解きほぐし、社会の変化を誘うデザインの役割を考えてみませんか。